今日はUstazさんの話をします。彼は42歳で妻子もちです。
そんな彼の妻が7月のある日アテビンのところへ相談にやって来ました。何事かと思っていたら、Ustazさんに容疑がかかっている、とのことです。容疑は詳しくは分かりませんが、麻薬の所持と密売です。
実際ジェネラルサントス市では麻薬の所持・使用・密売は犯罪でどの程度であっても厳しい罰則があります。Abu Sayaff Groupというテロ組織がミンダナオに存在するので、そういった麻薬関係の犯罪は多いそうです(以前聞いた弁護士の話によると)。
そして、Ustazさんの容疑が晴れる様に人権活動家でもあるアテビンは何度か弁護士に相談へ行ったり、彼の裁判を出席したり、必要な書類を集めたりしました。そして9月の今日、午前中サランガ二洲のJustice & Peaceであった最後の事情聴取で見事無罪を勝ち取りました。彼は警官によってでっち上げられ、容疑者に挙げられたのです。29日間の牢屋生活を終え、手続きをし終わった後、無事に家族の元へ帰ることができます。
今日の聴取のため集まった家族・親戚たちはUstazさんの無実が証明され、「大きな問題が解決して幸せ!」と嬉しそうです。彼の妻も子どもに連絡し「アテビンありがとう」と感謝を伝えていました。
フィリピンではこうしたでっち上げの罪が多々あります。警官や軍が無実の人に罪を着せて検挙数を増やします。ここフィリピンでは警察が十分信用されるわけではなく、特にミンダナオでは警察や軍が多く駐留しているため、それによる被害・影響も大きいものになっています。人権を守るべき警察が人権を阻害するというのはおかしな話です。
今日は彼の釈放の日でした。午前中、裁判所で手続きをした後、サランガ二にある牢屋に行き再び手続きを済ませると無事Ustazさんは釈放されました。約一ヶ月の牢屋生活を終え、親族と話す彼はかなりの口数で牢の中にいた時と大分印象が異なりました。それほど嬉しいことなのだと思います。それと、彼の容疑は殺人未遂の誤りでした。
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